本当に必要な部品をプリントするための5つのコツ
2026年10月12日
要点:
良い部品は、プリントの前に決まります。まず、その部品が果たすべき役割を明確にしましょう。それが、材料(最も強いものではなく、最も適したもの)、向き(荷重が積層に沿うように)、設計(緩やかなオーバーハング、しっかりした壁)、はめあい(0.2~0.4mmのクリアランス)を決める指針になります。迷ったときは、部品の用途をお知らせください。選定をお手伝いします。
本当に必要な部品をプリントするために
エラーなくプリントできた部品が、必ずしも役割を果たせる部品とは限りません。3Dプリントの失敗の多くはマシンの問題ではなく、ファイルを送る前に下す、機能、材料、向き、設計、はめあいに関する判断から生じます。
Celetteは長年にわたり、事故修理業界で3Dプリントしたジグや治工具を活用してきました。そして現在、その経験を活かして、お客様が必要とするあらゆるものをプリントしています。本記事では、図面どおりの部品ではなく、本当に必要な部品を手に入れるための、FDM(熱溶解積層法)の実践的な5つのコツをご紹介します。
コツ1:ファイルではなく、部品の役割から考える
プリントを始める前に、一つの問いに答えてください。この部品は何をしなければならないのか?その答えが材料、向き、プリント設定を左右するため、少し時間をかけて考える価値があります。
通常は、次のような問いで十分です:
- 荷重:部品は重量を支えたり、衝撃を受けたり、強い力で締め付けられたりしますか?
- 熱:エンジンやヒーターの近く、または直射日光の当たる場所に置かれますか?
- 化学物質:油、燃料、溶剤、洗浄剤に触れますか?
- 屋外:雨、紫外線(UV)、温度変化にさらされますか?
- はめあい:ほかの部品と組み合わせる必要がありますか?
見た目を確認するためのモックアップと、作業場で毎日使うジグは、CADファイルが同じに見えてもまったく別の部品です。部品の用途をお知らせいただくことが、一度で正しく仕上げるための近道になることも少なくありません。
コツ2:用途に合わせて材料を選ぶ
最も強いフィラメントが、常に正しい選択とは限りません。コツ1で明確にした内容をもとに、部品が実際に果たす役割に合わせて材料を選びましょう。
| 材料 | 最適な用途 | 主な使用例 |
|---|---|---|
| PLA-CF | 外観とはめあいの確認 | 外観部品、簡易的な形状確認 |
| PA6-CF | 強度と靭性 | 実際の荷重がかかる機能部品 |
| PPS-CF | 熱と化学物質 | 高温で過酷な環境で使用する部品 |
3つとも炭素繊維で強化されており、強化材を含まないものより部品の剛性と寸法安定性が高くなります。必要以上に高性能な材料を選べば、価値は高まらずにコストだけが増え、逆に性能の低い材料を選べば、使用中に部品が壊れるリスクがあります。
コツ3:強度を考えて部品の向きを決める
FDMの部品は、層に沿った方向では最も強く、層と層の間では最も弱くなります。各層は一体の固体ではなく、下の層に接着されているためです。主な荷重が層を横切るのではなく、層に沿ってかかるように部品の向きを決めましょう。
積み重ねた皿を思い浮かべてください。皿を横に引き抜くのは大変ですが、積み重ねを一枚ずつはがすのは簡単です。荷重が層を横切る向きでプリントしたフック、クリップ、ブラケットは、本来必要な力のほんの一部で積層線に沿って折れてしまうことがあります。
向きは表面仕上げや必要なサポート材の量にも影響するため、最適な選択はバランスで決まります。強度が重要な場合は、強度を最優先にしてください。
コツ4:プリント方法を考慮して設計する
CADモデルでのちょっとした工夫で、サポート材、プリント時間、失敗する部品を減らせます。
- 緩やかなオーバーハング:オーバーハングはおよそ45°以下に抑え、プリンターがサポート材をあまり使わずに造形できるようにします。それより急な角度にはサポート材が必要になり、時間がかかるうえ、跡が残ります。
- 角を丸める:内側の角にはフィレットを付けましょう。鋭い内角には応力が集中し、部品が割れやすい箇所になりますが、フィレットを付ければ荷重が分散されます。
- しっかりした壁:荷重を受ける部分は厚くしましょう。薄い壁は強度が低くなり、非常に細い形状はプリントできないこともあります。
STLの書き出しにも同じ考え方が当てはまります。滑らかな曲面を持つ、きれいに閉じたメッシュであれば、スライサーに部品の形状が正確に伝わります。
コツ5:余裕を持たせ、はめあいを試す
プリントした穴やピンが、CADモデルと完全に一致することはほとんどありません。2つの部品を組み立てる箇所にはクリアランスを設けましょう。かみ合う部品では0.2~0.4mmが一般的な範囲です。当社の標準公差は±0.2mmのため、それを下回るクリアランスでは部品が組み合わない恐れがあります。
はめあいが厳しい部品は、まず穴とピンだけなど小さな試作品をプリントし、部品全体の製作に進む前に確認しましょう。コストはわずかで、部品全体の再プリントを避けられることもあります。
サイズも早めに確認しましょう。当社のプリンターは最大240 × 200 × 200 mmの部品に対応しており、それより大きな部品は分割して組み立てることができます。
迷ったら、ファイルをお送りください
最適な部品は、5つの判断から生まれます。部品が果たす役割、材料、向き、FDM向けの設計、そして試したはめあいです。いずれかに迷ったら、部品が果たすべき役割をお知らせください。適切な材料と向きをご提案し、世界中どこへでもお届けします。
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